朝丘大介著「オレンジ病棟」を読んで

冬幻舎ルネッサンス 2008年12月25日発行
朝丘大介著「オレンジ病棟」
アマゾンのページ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4779003660/mixi02-22/

mixiには本日時点でわたし以外に2人の方がレビューを書かれておられます。
(mixi 操作  [コンテンツ]-[レビュー]-[オレンジ病棟をキーにして検索] )

以下、mixiに書いたわたしのレビューを転載します。

見当識障害、高次脳機能障害、等々、見慣れない用語が頻出しますが、予備知識なしで読むことができました。

理学療法士として忙しい日々を送っていた主人公は、職場の上司との関係から退職し、北海道旅行に出かけ、そして自動車に轢かれてしまいます。

腕や脚などの怪我だけでは済まず、脳に障害を受け、生産的な仕事に就く能力を奪われます。

交通事故の加害者への憎しみは湧いてこないものの、なぜ職場をやめたのか、なぜ北海道に向かったのかと、事故に遭うことになった経緯に対して後悔の念を抱いたことと、生産的な仕事ができなくなったことにより自己の存在価値を見出せなくなったことから、自殺したいという欲求が高まり、飛び降り自殺する場所まで行きます。

しかし、主人公が死ねば悲しい思いをする人々の存在を知り、自殺念慮は消失していきます。

事故で平穏な人生が突然暗転しても、事故を受容できないことで葛藤しつつも、生の大切さを実感していく過程がシリアスに描写されています。

主人公とその他の登場人物が育毛に大きな関心を持ち、ハゲ・育毛に関する会話が非常に多く出てきますが、このハゲに関する軽い話題が、シリアスな描写の深刻さをやわらげるとともに、登場人物の間の人間関係をつなげる役目を担わせていると思いました。

誰もが交通事故で突然に人生の流れを変えさせられることがありえることから、また社会の中の仲間であるこのような事故の被害者の方々の悩みや苦しみの一端を少しでも知ることができると思いますので、本書を推薦します。

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この記事へのコメント

朝丘
2011年02月17日 21:12

cameraboyさま

初めまして。
「オレンジ病棟」著者の朝丘です。

このたびはブログにていねいなレビューを載せて
いただきまして、どうもありがとうございます。

本当に嬉しいです。

自分はmixiはやったことはないのですが、mixiのなかで
三人も登録してくださっている方がいることを知り、
驚きました。

感想を書いてくださった他の方々にも、朝丘が感謝していたと
よろしくお伝えください。

cameraboy
2011年02月18日 22:20
朝丘大介様
コメントありがとうございます。
著者からコメントをいただけるとは光栄です。

次の本も楽しみにしています。

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